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日本は昔から腐敗していた。

【2008/01/10】

今の時代、医療も教育も、<時代の進歩>についていけなくなっている。これに、拍車をかけているのが、マスコミによる極端な「情報遮断である。国民は「上意下達」の空気の中で生きられないことを感じている。


●日本は昔から腐敗していた。

会社員 加藤一郎(東京都中央区 29歳)
 「去年は偽装の一年だった」という嘆きの声をよく聞く。声欄や論説を読んでいると、年輩の方々の中で特にこのような意見が多いようだ。
 しかし、偽装が行われていたのは何時であったのかを、よく考えてみてほしい。昨年問題になった赤福の偽装は約30年前から、白い恋人の偽装は約10前からだった。マンションの耐震偽装も約10年前から行われていたというし、最近の官僚の不祥事などに至っては、一昔前ではごく当たり前のことではなかったのだろうか。
 なぜ、今になって問題になるのかといえば、過去に当り前だったことが許されない世の中になっただけなのだ。こうして明るみに出ることによって社会が改善されていくのだから、逆に喜ばしいことではないのだろうか。
 それよりもむしろ、「実は日本は昔から腐っていた」という事実に目を向ける必要がある。近年の日本を嘆くのでなく、過去から長期にわたって不正行為がおこなわれていた、そして私たちの多くはそれを黙認していたということを忘れてはいけない。(朝日新聞、2008.1.8日p15「声欄」)


●「沖縄戦の軍命あり得ぬとは」 

無職 古川利意 (福島県会津坂下町 83歳)
 沖縄戦の「集団自決」をめぐる問題について、12月27日朝刊に近現代史の専門家の意見が載っていた。その中の秦郁彦氏の意見を読み唖然とした。
 氏は「命令は発令、受令者名、日付、番号を記した文書によるのが原則であり正規の戦隊長命令が出ることはありえない」とし、沖縄戦の軍命は成り立たないとのべている。
 辞書によれば、命令とは「上位の者が下位のものにいいつけること」。軍人勅諭には「上官の命は朕が命と心得よ」との一節がある。
 一等兵が二等兵に「死ね」と言えば、天皇の命令であったのが軍の常識であり、兵士が一般住民に「玉砕」と言えば命令だったのである。「文書によるのが原則」などと言うのは、それこそ当時の軍隊を冒涜するものである。(朝日新聞、2008.1.8日p15「声欄」)


●昨日二冊の本を買いました。

1. ( CDブック:「千の風になって」、新井満、講談社2007年3月15日第13刷発行)

2. 雑誌「世界」2008.2月号、特集「医療崩壊をくい止める」岩波書店、「社会的共通資本としての医療をどう守るか」<宇沢弘文、出月康夫対談>に目が止まりました。
宇沢:
「1961年に始まった日本の「国民皆保険制度」は1980年までは順調にいっていた。」「それが、中曽根政権の第二臨調以後、医療費の抑制政策がとられるようになり、さらに小泉・安倍政権の6年間あまりに全面的に市場原理主義に基づいた制度改悪が強行された。その被害が大きいのは<医療と教育>だと思っています。」
(中略)

出月:
日本の医療制度は「政府がすべての国民に強制している制度ですから、ここまで医療が進んでしまった政府の責任、行政の責任は非常に大きいと思います。(中略)急速に医療技術が進歩して、それに制度が追い付いてこられなっかった。これは財政面でもそうです。医療費を抑えすぎたために破綻がはじまった。

「今まで国が決めてなかったのは、人の面です。医療を担当する医師については、従来は<医師の裁量権>といって自分の良心と倫理に従って最良の治療法を選んで患者に提供する。今の制度はその裁量権さえ奪おうとしています。人まで国が管理しようとしていることに私(宇沢)は危惧しています。出月「今の状況が五年続いたら、日本の病院医療は完全にだめになります。02年に「新ミレニアムにおける医療プロファッショナリズム」というのがランセット(Lancet2002.359.520-22)に出ました。その中に「ヒポクラテスの誓い」と同じような意味で、すべての医者が守るべき規範という医師憲章が書いてあるのですが、その中に<医者も社会に向かって発言する責務がある>、と書いてあります。」