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わが国の「役人とマスコミ」は、「専門家」が嫌い

【2007/04/10】

「サリドマイド」福祉財団「いしずえ」の機関誌に書いた原稿: 西ドイツでは、政府役人は、専門家(レンツのコンテルガン疑惑、当時40歳)の意見を尊重し会社を敵にし1961.11.25日に発売を禁止。日本では会社を信じ、1962.8.25.まで発売した。マスコミも「政府に不利のことは一切報道しなかった」。この10月で、被害者は95人→309人に増えた。役人や会社やみんなが忘れても「被害者」は忘れることはない。マスコミは政府が認可した「組織」だから、上位下達は当然であるといえる。40年間、わが国の「上下雷同」の体質は変わっていない。(木田盈四郎著、先天異常の医学、中公新書、 1998年13版、p136.) 木田ブロッグ 100. 朝日新聞にもの申す。サリドマイドの教訓を忘れるな。

 わが国の「マスコミ」は、厖大な権力機構の一翼を担っている。国家権力と一体になって、富士山の五合目で、下界を見下ろしている。自分は誰からも批判されない、空気のような存在であると思っている。マスコミは、政府が認可した「組織」だから、上位下達は当然であるといえる。40年間、わが国の上下雷同の体質は変わっていない。しかし、ニュースの質を落とさないプロとしての自覚(品格)を持って欲しい。記事を取材する記者、(現場の声)の苦しみと悩みが分かって欲しい。

□朝日新聞には、次のように書かれている。
「春、新紙面に向けて、読者の「共有資産」をめざします。読者が共有する「社会資産」であるの三つの必要条件として、
 1.読者に開かれていること(公開性)  
 2.読者に隠し立しないこと(透明性) 
 3.報道と言論に責任を持つこと(説明責任)
としています。
さらに、「危うきものは、位に安んずる者だ。滅びる者は、何時までも存続できると自分で思い込む者だ。●危者 安其位者也 ●亡者 保其存者也」中国五経のひとつ「易経」にそうあります。危機から反転し、読者の信頼を確かにする道のりの新たな一歩にしたいと思います。」東京本社編集局長(ゼネラルエデター)外岡 秀俊、(朝日新聞、14版、2007.3.30.金曜日p1.

●私は、四つ目の必要条件として、4.「専門家の知識の活用」(専門性)を提案する。その理由は、社会に起こっている問題には、簡単に庶民がわかる(多数決できる)事象と簡単には分からないが「専門家の知能」(専門家の直感を信ずる)を利用しなければ解決しない事象があるからです。

◆マス・コミュニケーション(masscommunication)〔1992年版 ジャーナリズム〕
不特定多数の受け手を対象にマス・メディアを通じて、大量に情報を伝達するコミュニケーション過程のこと。マス・コミュニケーションの特徴としては、次のようなことがあげられる。
(1)送り手は通常大規模に組織された集団である
(2)機械的・技術的手段で情報を大量に複製する
(3)これを、分散した不特定多数の受け手に伝達する
(4)受け手が、送り手になれる機会は少なく、
  送り手と受け手の役割分化がはっきりしている
(5)受け手から送り手へのフィードバックがむずかしい。
  つまり、情報の流れは、送り手から受け手へ、一方的である。
マス・コミュニケーションが社会に対して行う活動は、次の諸点があげられる。
(1)出来事についての情報を収拾し、伝達する活動(報道活動)、
(2)その出来事について評価し、解説し、論評して、受け手の行動を指示する活動
  (論評活動)、
(3)社会の価値を後世に伝達する活動(教育活動)、
(4)受け手に娯楽を提供する活動(娯楽活動)。
そのほか、
(5)広告を伝達する活動(広告媒体としての活動)もある。
[株式会社自由国民社現代用語の基礎知識1991~2000年版] 

●問題なのは、マスコミが、時の政府の権力と結びついて、グル(悪だくみなどの、仲間。共謀者。同じ穴のむじな)であることを、国民の目から隠すことは大変罪深いことです。「立場の違いは真理が異なる」。常に弱者の立場、弾を撃つ方からでなく「着彈点の報道」を忘れては困るのです。

 「ニュースの質」を高める努力を期待します。「失敗」を恐れず、「良い失敗を繰返して」欲しいのです。